2017年3月31日
千葉・92期 鈴木裕選手 1人目の注目選手は千葉92期の鈴木裕選手です。

鈴木選手がキックボクシングのプロから競輪選手になったというのは有名な話。昨年はF1優勝2回、今年も既に優勝1回と安定した強さを保っています。
2月の高松で優勝もありましたが、ご自身で近況振り返っていかがですか?
「体力的には向上できてないと思います。ただ、自転車に乗る感覚は少しずつ良くなってきています」
2011年、12年は特に記念優勝やG1決勝進出と大活躍だったと思いますが?
「あのときはほんと運が良かっただけです。そのあとは大ギアの波に乗り遅れてしまったというのがありました。ギア規制があって少しずつ盛り返してきています。今思えばあの頃は練習しないと不安になって、熱があるときも練習してました。今くらい心に余裕があればもっとあの位置にいられたのかなって思います」
キックボクシングは何歳から始めたんですか?
「2歳〜20歳くらいまでやっていました。自分の父と今の館長が2人共同でジムを立ち上げたのがキッカケでした」
そこからどうやって競輪へ?
「キックボクシングの世界でプロとしてデビューしてからすぐに目を怪我してしまい続けられないとなったときに、父が競輪が好きだったので競輪選手になれと勧められました」
どちらもシビアな世界だと思いますが、どちらがキツイですか?
「いろんな意味でキックボクシングですかね。ファイトマネー5万円の試合が3ヶ月に1回しかないですからね。いつも6時から練習だったのでみんなその前までバイトして練習行くってのが月〜土まで、休みは日曜日だけでした」
そんなに厳しい環境だったんですね。
「そうですね。今はすごく恵まれていると思います。練習だけ切り取ったら競輪の方がキツいんですけどね。競輪は脚があるからって必ず勝てるわけではないところが難しい。そこが面白さでもあるんですけど」
7月でデビューから10周年になります。振り返ってどうです?
「ほんとあっという間だなって思います」
これからの10年はどんな風に過ごしたいですか?
「怪我なくやっていけたらと。今やっていることをずっと続けていけば、10年後はもう少し上で戦えているんじゃないかな」
人生のすべてを費やしてきたキックボクシングの世界から転向して早10年。「競輪は練習をやればやった分強くなれるわけじゃないから難しい。やった分だけ強くなれれば簡単なんですけどね」という言葉が印象的でした。鈴木選手のこれからの選手生活、必ずもっと大きな花を咲かせるときが来ると信じています。ガンバレ鈴木選手!!
山形・99期 高橋幸司選手 2人目の注目選手は、山形99期の高橋幸司選手です。

一昨年の12月に落車してしまい、4ヶ月半休んだあとの復帰戦で再びの落車。怪我に苦しみながらも男気溢れる先行を見せる高橋選手です。
一昨年の12月の落車ではどこを怪我されたんですか?
「首の骨を折ってしまいました」
復帰戦の落車では?
「やっと治った約5ヶ月ぶりの復帰戦でまた頭から落ちてしまったんです。ヤバイと思って救急車で病院へ行くと首ではなく脚の骨が折れてました」
入院中、苦しかったと思います。競輪をやめようと思ったことは?
「思ったときもありました。でも、競輪が好きなのですよね」
練習はどちらで?
「ずっとひとりでやってたんですけど山形の練習場が震災のときに壊れてしまったんです。今は月の半分くらい、選手になる前からお世話になっている柴崎淳さんのいる四日市で一緒に練習させてもらっています」
冬季移動も三重でした?
「ずっと四日市でした。柴崎兄弟や浅井さんもいて最高の環境です。刺激もらってます」
競輪選手を目指したキッカケは?
「大学までずっと陸上競技のハンマー投げ、砲丸投げをやっていました。大学入ったときに怪我のリハビリでエアロバイクをやったのが始まりでした。大学の先輩が柴崎淳さんと知り合いでその出会いも大きかったです。やってみようという気になりました。大学在学中に競輪学校受けて受かったので2年のときに中退して選手になりました」
選手になってどうですか?
「ほんと良かったと思います。死んでももう一回競輪選手になりたい。それくらいやりがいがあります」
今の目標は?
「もっと上のレベルで走ることです」
健康で毎日、練習できることが幸せと話す高橋選手。話していて本当に競輪が好きなんだなぁと感じました。練習環境も抜群。一歩一歩自分のペースで昇っていって外連味ない先行でファンを虜にしてほしいと思います!ガンバレ高橋選手!!

次回は4月7日、川崎記念よりお届けします。お楽しみに!!