梅雨の季節がやってきました。明日から宇都宮競輪場で開催される高松宮記念杯競輪、通称「雨の宮杯」なんていわれておりますが、今年はお天気に恵まれる4日間になってほしいですね。

前走の松戸決勝はラインの天田選手とワンツー決着でした。松戸から今日までの約2週間はどのように過ごされましたか?
「腰痛が出てしまったので、ケアを中心に調整してきました」
上原選手はスケートから競輪へ転向しました。キッカケは19歳の時。オリンピックの選考会を機にキッパリとスケートを辞めて新たに競輪界を目指しました。
何故競輪だったかというと、師匠(市村和昭)と上原選手のお父さまが同級生だったので、スケートをやっていたときから競輪という選択肢があったそうです。
競輪界にはスケート出身の選手がたくさんいますが?
「スケート時代、武田さんや今井さんは【神】的な存在でした。競輪選手になるまでは、話しすらできなかたんですよ」
今、スケートの経験が競輪に活かさせていることはありますか?
「我慢強さですかね」
高松宮記念杯は初出場ですが不思議と緊張はなく落ち着いているそうです。今回の上原選手の目標は4日間走り切ること。ぜひとも勝ち上がってほしいですね。
最後に、これからどんな選手になっていきたいか聞いてみました。
「せっかく選手になったんだからタイトルを獲りたいです。あとは長くやりたいですね。できれば師匠よりも長く。50歳くらいまでS級でいられるように頑張ります(笑)」
ご自分のペースを崩さずに最後まで丁寧に質問に答えてくださった上原選手。初日1Rは上原選手の走りに注目です!
香川・91期 大西祐選手2人目の注目選手は、初日4Rを走る香川91期大西祐選手です。

3月の松山記念で落車してしまった大西選手。そこから4月の共同通信社杯まで欠場されていましたが、落車の影響はいかがでしょう?
「身体はもう大丈夫です。ただ、エースフレームが壊れてしまったのが痛かったです。点数もかなり落としてしまいました」
ここに向けて、どのように調整されましたか?
「普段は高負荷&低速か、低負荷&高速の練習をやることが多いんですが、今回は3日間午前午後と高負荷&高速のかなりキツイ練習メニューをこなしてきました」
高校時代、自転車競技で優秀な成績をおさめている大西選手。自転車競技を始めたキッカケを聞くと、それはとても可愛らしいものでした。
「父が自転車好きだったんです。小学4年生のときにマウンテンバイクの大会に出て優勝したら鍋を食べに連れていってくれるって約束したんです。鍋が大好きだったので頑張りました。その年は7位だったけど、翌年優勝できました。
選手を目指したのは、観音寺競輪場でふるさとダービーを見たっていうのも大きかったと思います。」
大西選手のプロフィールの中に学業優秀賞第1位とありました。これについて聞いてみると、大西選手はスポーツだけでなく勉強もできる秀才なんですね。
「橋を設計するのが夢でした。その道に進むこともできました。でも鍋で人生が決まったんです」
優しく笑いながらそう話してくれました。人生って不思議なものですね。
今回、初の高松宮記念杯ですがいかがでしょう?
「緊張はしています。でも、失格もあり点数を下げてしまっていたんでここにくるまでにS級の点数をとれたこがかなり大きかったです。カツカツの状態で入っていたらもっとしんどかったですから」
今回は準決勝までいきたいとのこと。今まで特別は2回初日をクリアしていて、2日目が課題になっているそうなんです。ぜひここで2日目の壁を乗り越えてほしいですね。
今年も半分終わりますが、下半期はどんな年にしたいですか?
「今年中に1回は優勝すること。これは前から決めていました。あとは点数を110点くらいまで戻したいです」
最後に、これからどんな選手になっていきたいですか?
「先行できる自在屋が最強だと思っているので、そうなりたいです」
鍋で決まった人生。多才な大西選手が選んだこの道が正しかったということを、きっと競輪人生をもって証明してくれることでしょう。
まずは初日!明日の4Rは大西選手に注目です。