約1年前の小田原F1でS級初優勝。次開催の取手でも連続優勝を決めて強さを見せつけた佐藤選手。ちょうどその時期に取材をお願いしようとしたのですがタイミングが合わず、1年経ってやっとお話を聞くことができました。
2016年の前半はまさに絶好調だったように思いますが?
「自分でもほんとそうでした。あのときは身体的にも気持ちにもはりがあり、やれるって気持ちでしたから。4月に冬季移動終わってそこから調子を落としてしまい残念です」
環境の変化が原因ですか?
「それも少しはあったのかもしれないですけど、青森に帰ってから最初の開催が青森だったんです。気合い入れて激しい練習をやりすぎて風邪ひいて背中の筋断裂をおこしてしまってそこから調子を落としてしまいました」
最近はまた1着も増えてきたように思いますが?
「良かった頃に比べるとまだですね。練習が充実すれば気持ちも乗ってくるタイプなので練習から頑張ります」
高校で自転車競技を始めたキッカケは?
「小中学は野球をやっていたんですが、小6の頃から競輪選手になりたいと思っていたので高校から自転車部に入りました」
なぜ競輪選手になりたいと思ったんですか?
「もともと自転車が好きだったので。ロードレーサーがすごくカッコいいと思っていました。自転車で誰より早く走りたいと思ったので競輪の道を選びました」
自転車部に入ってみてどうでした?
「入る前は自分は自転車乗ったら絶対に強いという根拠のない自信があったんです。それなのに高校3年間、4人いた中でずっと1番下でした。それでも競輪選手になれると信じていました」
デビューは29歳と遅めですよね?
「そうなんです。競輪学校の試験になかなか受からなくて覚えている限り8回受けました。23歳現役最後の試験に落ちると一度はあきらめて普通の仕事をしたんです。ある夜、川崎健次(神奈川・88期)から電話がかかってきて「年齢制限が撤廃されたぞ」と教えてもらいました。一晩考えてその日のうちにもう一度チャレンジしてみようと決め、そこから2回目で合格です」
なかなかの苦労人ですね?
「長かったですね。今は走れることが嬉しいです。楽しい思いや悔しい思い、いろいろあるけどやっぱり自転車が好きなんですよね」
最近は人の後ろをまわる競走も増えたように思いますが?
「そうなんですけど自在という気持ちはありません。まだ先行捲りで頑張りたいです」
遅咲きの苦労人ですが自転車を愛する気持ちは本物。多少時間はかかってもしっかりと自分の力でS級1班までたどり着いたんです。これからさらなる飛躍に期待しましょう。ガンバレ佐藤選手!!
熊本・98期 東矢昇太選手 2人目の注目選手は熊本98期の東矢昇太選手です。