第69回日本選手権競輪

3月8日(火)〜13日(日)＜名古屋競輪場＞

GⅠ最高峰・日本選手権競輪が開幕! 『ダービー王』の称号は誰の手に!?

　昨年のGⅠ戦線は東日本勢の活躍が目立った。日本選手権覇者の新田祐大(福島)はオールスターも制し、ビッグタイトルを2つ奪取、武田豊樹(茨城)も負けじと高松宮記念杯、競輪祭とビッグV2を達成した。そんな東日本勢中心の流れを断ち切ったのが、悲願のグランプリ初優勝を決めた浅井康太(三重)。浅井のグランプリ制覇により、地元地区でのGⅠ開催に向け、中部勢が俄然勢いを増すであろう。

　その浅井が今年も順調な滑り出しを見せている。「今年のテーマは、一戦一戦、自分の走りを貫く」の言葉通りに自力、追い込みを巧みに使い分けて、勝ち星を量産している。深谷知広(愛知)も完全復活に近い状態まで仕上げてきた。昨年末から年始にかけてのレース内容は全盛時を彷彿させる動きだった。昨年後半に大活躍の竹内雄作(岐阜)も今年は一段とタイトル奪取に燃えてこよう。 北日本勢も昨年は新田と山崎芳仁(福島)の2人だけでタイトルの半分を獲得し、北日本復活の狼煙を上げた。この2人に菊地圭尚(北海道)、佐藤慎太郎(福島)、渡邉一成(福島)らが加われば、ラインの厚みが増していく。

　関東勢は武田豊樹(茨城)、平原康多(埼玉)の二枚看板が今年もGⅠ戦線を引っ張っていくだろう。武田はややパワーに陰りが見えるも、平原は骨折のダメージもほぼ無くなり、変幻自在な立ち回りで別線を翻弄しそうだ。年末年始にやや動きの重かった神山雄一郎(栃木)も、模索中だという新しい競走スタイルが完成形に近付きつつあるようで注目すべき存在だ。

　近畿の総大将・村上義弘(京都)もまだまだ元気。自力勝負のメンバー構成は減りつつあるが、同地区に稲垣裕之(京都)、脇本雄太(福井)などのイキのいい自力型が豊富なのは強みだろう。村上博幸(京都)も度重なる落車に泣かされてきたが、ようやく本来の状態に戻りつつある。

　昨年、九州に7年半ぶりのタイトルをもたらした園田匠(福岡)は、ギヤ規制から1年が経過し、園田らしい間隙を突くレースが増えてきている。タテ脚ある井上昌己(長崎)、位置取りシビアな大塚健一郎(大分)らと連係し、共にビッグヒットを決めていきたいところ。

　昨年前半大活躍の原田研太朗(徳島)は、今年初戦の立川記念で記念初優勝。やはり得意な時季にはキッチリ結果を出してくる。S級S班復帰を目論む岩津裕介(岡山)も厳しいメンバー構成の中で奮闘している。原田の番手なら道中は脚を溜められるだけに、チャンスは更に増してくる。

　南関勢は他地区と比べて機動力に見劣りするが、遅咲きの大砲・近藤隆司(千葉)、昨年後半は落車でリズムが狂った石井秀治(千葉)らが別線の機動型を苦しめられれば、渡邉晴智(静岡)、海老根恵太(千葉)らが恵まれるシーンも出てくる。

　果たして今年の『ダービー王』の称号は誰の手に!?スピードチャンネルは全レースを実況生中継、お楽しみに。

4